ヒヨコ大学院生による看護科学の探求

看護師の資格を取り、三年勤務したのちに大学院に入学しました。論文を書きながら、がんサバイバー支援での看護研究者・臨床家の役割について考えています。

第27回日本がん看護学会学術集会

27th Annual Conference of the Japanese Society of Cancer Nursing

2013年2月16日から17日に、石川県金沢市で開催されたがん看護学会に参加してきました。

私は、この機に初めて金沢に行きました。
そして飛行機で行けるということに気付かず、新幹線を予約しました!
新幹線では四時間ほどの時間を要するだって・・・。

一日目の一番目のプログラムから参加したかったので、金曜前泊し、学会は全行程参加してまいりました。

 

今回のテーマは

 「未来と希望を拓(ひら)く  温もりのあるがん看護」

 

会長講演から、ターミナルの患者さんの事例が続き、涙なしでは聞いていられない

状態で、会場からすすり泣く声が聴かれました。

がん看護は緩和ケアについて、「治療開始の時点(あるいは診断時)より、患者さんの苦痛を取り除き、快適な(治療を含めた)生活を過ごすために実践される」ケアと定義し、またその定義を世の中に定着させんと頑張っているのです。

しかし一方で、緩和ケアといえば、・・・治療の施しようのない状態で、痛みや苦痛を取るために行われる終末期のケア・・・という印象を与えがちです。

学会でも、ともすれば後者と受け取れるような説明や事例発表は多々ありました。

 

今回の学会で私が感じたがん看護の大きなテーマは

がんと診断されたときから生じる、様々な痛み「トータルペイン」への看護ケアを通じた、がん患者および家族への生活支援の重要性でした。

「がん」と聞いて、死を考えることはごく自然なことだと思いますが、最近では治療しながら働くがん患者や、治療後にも様々な副作用症状と戦いながら生活しているがんサバイバーが沢山います。

緩和ケアは診断時より発生する心理的なストレスや、ケアすべき身体的な症状、家族や社会での患者さんの有りように対して施されるべきであり、まさに、がんやがん治療と共に生きる人たちに希望を与える看護ケアとして定着すべきだと思います。

緩和ケアという言葉が与えてきたイメージを覆すことはそう簡単ではなさそうなのですが、何か新しい定義と新しい言葉を以ってでも、がんや、がん治療とともに戦う人をもっとも身近に支える看護の力を、さらに世の中に広く理解してもらいたい。